「今、笑えていますか？」
そう聞かれたら、答えに詰まってしまう。
そんな状況のあなたに向けて書いた本です。
「こんなはずじゃなかった」
「自分ってこんなにできなかったのか」
「自分のことが、もうよくわからない」
「なんだかうまく言葉にできないけど……ずっとしんどい」
そんな風に思っていたのは、社会人１年目の私でした。
「今、笑えていますか？」と聞かれたら、当時の私は何も言葉が出なかったはずです。その問いかけに対し、「まるで今が笑えてないみたいじゃないか！」と周囲に怒りをぶつけるわけでもなく、自分に嘘をついて「笑えているよ！ 大丈夫」と明るく気丈に振舞えるわけでもない。……ただ、言葉に詰まってしまう。
もしこの気持ちを頑張って言葉にするとしたら、「なんて答えたらいいのかわからない……」という表現が近いのかもしれません。
自分が何を思って何を感じているのか、今ではよくわからない。自分の心の悲鳴はどんどん大きくなる一方で、他の人にそのしんどさをうまく伝えられない。
考えれば考えるほど頭の中がどんどん沼にはまっていく、そんな感覚です。
（あれ）
（前までは笑えていたのに……）
（どうやって笑っていただろう）
（なんかうまく笑えないな）
もし、少しでも心当たりがあるならば、もう少しだけ私に時間をください。
今のあなたに伝えたい言葉を精一杯選びながら、１冊の本にしました。
しんどさを周囲にまき散らせず、なんとか一人で抱えようとしている不器用で頑張り屋さんのあなただからこそ、
「笑っていてほしい」
と心より願っています。
この本を手に取ってくれたあなたが、今よりもほんの少し自分に優しくなれたら、ほんの少し笑えるようになったら嬉しいです。
「大丈夫」
今、無理に何かを変えなくてもいい。
今、無理に何かを考えなくてもいい。
あなたが今、話を聞ける分だけ聞いてみてほしい、それで十分。
それでは、はじめますね。
【目次】第１章 こんなしんどさありませんか？
１項 自分の将来なんて漠然とした空のよう
２項 まわりと比べて自分は向いていない
３項 成長している実感が持てない
４項 こんなはずじゃないし、自分はこんなもんではない
第２章 先生になってから
１項 先生を目指すキッカケ
２項 なにもかもがはじめて
３項 子どもの命を預かる仕事だと感じる出来事
４項 すり減っていく毎日
５項 子どもたちの笑顔に救われる
第３章 先生でいられない
１項 自分で自分を信じられなくなった
２項 一人になりたい
３項 もう学校には戻れない
４項 これから先、どうしたいんだろう
５項 やめることを決めた
第４章 先生をやめてから
１項 ２歩目からのしんどさ
２項 出来ることがあることを実感し、元気になる
３項 絵本出版
４項 最終的にどう生きたいのだろう
５項 今日も今日とて生きている
第５章 しんどい時に役立つ５つの心の持ちよう”
１項 人生万事塞翁が馬
２項 点と点はどこかで必ずつながる
３項 成長は遅れてやってくる
４項 青い炎は燃やしたままでいて
５項 自分の一番の味方は、自分だよ
【著者】
澤井良太（さわい りょうた）
広島県東広島市出身
福山市立大学卒業後、公立小学校に新卒教員として勤務。半年後、出来ない自分を責め続け、突然学校に行けなくなる。その後に自分の信念にもとづき、小学校教員を辞職することを決意。
子どもの無限の可能性を大人が邪魔しないように、まず自分自身がいろいろな働き方や幸せの在り方を学びはじめる。さまざまな人に会って話を聞いたり、学んだりすることで、どんどん自分の考えの枠が広がることを実感する。
最終的には、自分のこれまでの知見や経験を活かし、「どんな子どもでも必ず輝ける」という理念をもとに教育活動を行い、幸せの総量を増やすことが目標。
現在は、自分が響いたことや感じたことをＳＮＳで発信中。
