無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
荘園史研究ハンドブック 単行本 – 2013/10/22
荘園史研究会
(編集)
重厚な研究蓄積がある日本荘園史。気鋭の研究者たちが新たな視点で荘園史を分かりやすく概観し、
重要語や個別荘園の見方も併せ解説。研究史上の文献50冊の解説も付した。荘園史を学ぶ若い世代に至便の一冊。
重要語や個別荘園の見方も併せ解説。研究史上の文献50冊の解説も付した。荘園史を学ぶ若い世代に至便の一冊。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社東京堂出版
- 発売日2013/10/22
- 寸法15.8 x 1.9 x 21.6 cm
- ISBN-104490208472
- ISBN-13978-4490208474
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 東京堂出版 (2013/10/22)
- 発売日 : 2013/10/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4490208472
- ISBN-13 : 978-4490208474
- 寸法 : 15.8 x 1.9 x 21.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,180,277位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 627位鎌倉時代
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年10月31日に日本でレビュー済み
王朝時代から院政への貴族の経済基盤と公卿兼業私領主の発生を知りたくて、いろいろな荘園史研究書を読みましたが、この本から始めればよかったものをと思いました。最近の研究から入って確実に研究の歴史をたどり直すことができるオブジェは稀ですが、荘園はそうした歴史オブジェの一つだと思います。
2021年3月20日に日本でレビュー済み
荘園制は日本の古代中世史全体を貫く土台。荘園が分かれば日本史が分かると言っていいんじゃないかと思えるほど本質的。中央集権的な古代律令国家が私的土地所有の拡大によって侵食されていき分権的な中世封建体制に移行するという基本的には今日なお維持されている図式において荘園制の起源と終焉は中世社会から近世幕藩体制への移行の意味までも見通せるスーパーキーワード。というか、正確には荘園史料のレンズを通して歴史過程を見てきたことが今日の古代中世像の骨格が形作られた原因なんでしょうけどね。
日本の荘園制はマルクス理論の視点で見ると古代奴隷制的な制度か(=荘園制が消滅した幕藩体制から中世封建制が始まる!だから明治維新は絶対王政の成立ということになる!)、それとも欧州のマナー同様の中世封建制的な制度なのか(=この場合は幕藩体制が絶対王政で、明治維新がブルジョワ革命)という昔の論争はもう完全に過去のものになってて本書の中にごくわずかな言及が見られるだけになっていますが(ちょっと残念)、それでも荘園制の理解こそが歴史理解の要であるという事実にはいささかの揺らぎもない。必読の良書です。
在地領主が税負担を免れるために上位貴族に領地を寄進することで成立した寄進地系荘園についての従来の在地領主層の視点に偏った理解は一面的で、貴族層の側も俸給制度が実態を失っていくなか王家・摂関家とのつながりを得るために所領の寄進を進めていた。かくしてひとつの土地からの収益を複数の権利者の間で共有、分配する経済体制として確立した荘園制は、地域社会が成長するにつれて複数の権利者を一本化する方向に圧力がかかるようになった結果解体していく。
古代貴族社会が在地領主層の成長に侵食されていく歴史という従来からの荘園制理解それ自体は間違いではないけれど、あくまで事態の一面であって貴族社会もまた積極的に荘園制拡大を推進してきたのだというわけですかね。革命による急激な変動は別として長期的な変動は常に社会システム全体の適応過程にしかなりえないでしょうね。実際、荘園制の拡大の背景は11世紀初頭の気候の温暖化による農業の危機だったらしい。荘園制は社会全階層を巻き込む生存戦略だったわけですね。
日本の荘園制はマルクス理論の視点で見ると古代奴隷制的な制度か(=荘園制が消滅した幕藩体制から中世封建制が始まる!だから明治維新は絶対王政の成立ということになる!)、それとも欧州のマナー同様の中世封建制的な制度なのか(=この場合は幕藩体制が絶対王政で、明治維新がブルジョワ革命)という昔の論争はもう完全に過去のものになってて本書の中にごくわずかな言及が見られるだけになっていますが(ちょっと残念)、それでも荘園制の理解こそが歴史理解の要であるという事実にはいささかの揺らぎもない。必読の良書です。
在地領主が税負担を免れるために上位貴族に領地を寄進することで成立した寄進地系荘園についての従来の在地領主層の視点に偏った理解は一面的で、貴族層の側も俸給制度が実態を失っていくなか王家・摂関家とのつながりを得るために所領の寄進を進めていた。かくしてひとつの土地からの収益を複数の権利者の間で共有、分配する経済体制として確立した荘園制は、地域社会が成長するにつれて複数の権利者を一本化する方向に圧力がかかるようになった結果解体していく。
古代貴族社会が在地領主層の成長に侵食されていく歴史という従来からの荘園制理解それ自体は間違いではないけれど、あくまで事態の一面であって貴族社会もまた積極的に荘園制拡大を推進してきたのだというわけですかね。革命による急激な変動は別として長期的な変動は常に社会システム全体の適応過程にしかなりえないでしょうね。実際、荘園制の拡大の背景は11世紀初頭の気候の温暖化による農業の危機だったらしい。荘園制は社会全階層を巻き込む生存戦略だったわけですね。