これまで量的調査や統計学の本は何冊か読んできたものの、
まず面白くなく、最後まで読めずに途中で断念することが多かったのですが、
この本は購入後、少しわからない数式は飛ばしつつも、話の内容が面白いので、
最後まで一気に読み通すことができました。
その後再度読み直しを。
冒頭に「講義をまとめたもの」との記載があり、
「手を動かせるところは動かして理解を」と書いてあったので、
ノートとペンを片手に、一章ずつ、講義を聞くような形で読んでみました。
第一章では、社会調査のデータ集めについて書かれています。
自分もゼミで調査票を作成して調査を行った経験があるので興味深く読みました。
キャリーオーバー効果やダブルバーレル質問、社会的望ましさバイアスなどについて丁寧に書かれており、
調査票を作成した後に、この章で再度、質問項目の確認をするのにも役立つと感じました。
第二章では、調査で集めたデータを具体的に数値化して処理する過程が説明され、
平均、中央値、偏差や分散など、基本的な値についての説明があります。
数式の定義もしっかりと記載されているため、文系の自分は少し「おっ。。」となりますが、
その後数字を使った具体例の計算があるので、自分自身で紙に書いて計算しながら確認することができます。
第三章、第四章のクロス表の説明やカイ二乗値の説明も具体的な計算があるので
自分でも計算しつつ、サクサク理解が可能です。
そして第五章、推測統計学の説明に入ります。
他のレビューを書かれている方が、ちょうどここの中心極限定理についてわからないと
書かれていたのを読みましたが、自分はこの部分の説明の分かりやすさに感動しました。
それは、中心極限定理の定義を、「社会調査語」に翻訳した表で示してくれているからです。
具体的には、中心極限定理の「この時Nが十分に大きければ」の部分は「サンプルサイズが大体100以上あれば」のように、
定理の文章全てが社会調査語に翻訳されています。
この表の部分は「おおお!」と感激しました。
正直初めてこれで意味が理解できたかもしれません。
社学の学生には本当におすすめです。
第六章の検定の説明も、事例が面白くてクスっと笑いながら読み進められます。
第七章、第八章、第九章の理論部分は、自分には少し難しく感じますが、
何度も反復して読んでみようと思います。
そしてパート3の第十章からが再度とても面白くなります。
事例も社会学的な事例が並んでいます。
まず、これから量的調査の論文を書こうとする学生の方は、
このパートで言及されている事例を理解して、テーマ等を変えていけば、
ある程度の論文が作成できるのではないかと思いますし、量的調査の論文を読みこなすにあたっても、非常に勉強になると思います。
結論として、非常によくまとめられた、良い本だと思いますので、学生の方には特にお勧めしたいです。
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社会科学のための統計学入門 実例からていねいに学ぶ (KS専門書) 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/23
毛塚 和宏
(著)
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購入オプションとあわせ買い
データ集め(社会調査),データの整理,分析,…….社会調査に携わるすべての人が知っておくべき統計学の基礎を,懇切ていねいに解説する.親しみやすい題材に触れながら,調査研究に必要となる知識・手法を身につけよう.一見難しい数式も,その意味を言葉で説明しているので,数式アレルギーを克服できる!
【主な内容】
第0章 イントロダクション
第I部 コア
第1章 データを集める
第2章 データをまとめる
第3章 関連を捉える
第4章 関連を疑う
第5章 データから推測する
第6章 データから確かめる
第II部 理論
第7章 コイントスで社会を見る
第8章 集まったデータを表現する
第9章 推定が満たすべき条件
第III部 手法
第10章 社会の下流化は起こっているか
第11章 継承される格差を検討する
第12章 世界の男性の家事事情
第13章 年収と年齢の関係
第14章 ワイン評論家を出し抜く方法
第IV部 終わりに
第15章 統計学の応用とこれから
【主な内容】
第0章 イントロダクション
第I部 コア
第1章 データを集める
第2章 データをまとめる
第3章 関連を捉える
第4章 関連を疑う
第5章 データから推測する
第6章 データから確かめる
第II部 理論
第7章 コイントスで社会を見る
第8章 集まったデータを表現する
第9章 推定が満たすべき条件
第III部 手法
第10章 社会の下流化は起こっているか
第11章 継承される格差を検討する
第12章 世界の男性の家事事情
第13章 年収と年齢の関係
第14章 ワイン評論家を出し抜く方法
第IV部 終わりに
第15章 統計学の応用とこれから
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2022/6/23
- 寸法15 x 1.8 x 21.1 cm
- ISBN-104065284503
- ISBN-13978-4065284506
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商品の説明
著者について
毛塚 和宏
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院 社会・人間科学系 講師
1989年生まれ.早稲田大学基幹理工学部数学科卒業ののち,東北大学文学研究科人間科学専攻行動科学専攻分野にて博士前期・後期課程を修了.博士(文学).2017年より東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター特任研究員,2018年より現職.専門は計量・数理社会学.
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院 社会・人間科学系 講師
1989年生まれ.早稲田大学基幹理工学部数学科卒業ののち,東北大学文学研究科人間科学専攻行動科学専攻分野にて博士前期・後期課程を修了.博士(文学).2017年より東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター特任研究員,2018年より現職.専門は計量・数理社会学.
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2022/6/23)
- 発売日 : 2022/6/23
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 272ページ
- ISBN-10 : 4065284503
- ISBN-13 : 978-4065284506
- 寸法 : 15 x 1.8 x 21.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 114,006位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 72位社会学の参考図書・白書
- - 2,094位社会学概論
- - 13,699位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルのとおり、社会科学のための統計入門。
コア・理論・手法の三部構成だが、コアと手法が手厚く分量も多い。
コアの部分では、データの収集から集計、相関や疑似相関、推定や検定といった基本的な事柄を極めて分かりやすく解説してくれている。
理論の部分は、「離散変数と二項分布」や「連続変数と正規分布」、不偏性を扱う。ここは入門を読もうとする初学者には若干難解な内容となるが、他の統計の入門書よりは初学者を意識して分かりやすいように工夫がされていると思う。特に、数式を用いるところの説明の仕方が巧みである。
手法の部分は、階層帰属意識や格差を題材にして平均や比率の検定を行ってみせたり、男性の家事事情を題材にして分散分析を行ってみせたりする。この部分は「社会科学のための」という本書の意図をよく表したものとなっており、実際にどのような統計分析を行うのかということを知ることが出来る好内容である。
他に社会科学のための統計の本も出版されているが、そういう本を理解する上で必要最低限の知識を得るということでは本書が好適である。統計に関する最初の一冊として万人に進められる好著と言えるだろう。
コア・理論・手法の三部構成だが、コアと手法が手厚く分量も多い。
コアの部分では、データの収集から集計、相関や疑似相関、推定や検定といった基本的な事柄を極めて分かりやすく解説してくれている。
理論の部分は、「離散変数と二項分布」や「連続変数と正規分布」、不偏性を扱う。ここは入門を読もうとする初学者には若干難解な内容となるが、他の統計の入門書よりは初学者を意識して分かりやすいように工夫がされていると思う。特に、数式を用いるところの説明の仕方が巧みである。
手法の部分は、階層帰属意識や格差を題材にして平均や比率の検定を行ってみせたり、男性の家事事情を題材にして分散分析を行ってみせたりする。この部分は「社会科学のための」という本書の意図をよく表したものとなっており、実際にどのような統計分析を行うのかということを知ることが出来る好内容である。
他に社会科学のための統計の本も出版されているが、そういう本を理解する上で必要最低限の知識を得るということでは本書が好適である。統計に関する最初の一冊として万人に進められる好著と言えるだろう。
2022年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほかのレビュアーは非常に高評価を与えているけれども、あまり鵜呑みにせず、まずは手に取って自分の数学レベルと合うかどうか確かめた方がよい。
確かに、巷にあふれる統計学の教科書とは異なり、数式の意味をより丁寧に伝えようと努力している。そこは評価できる。
ただ、それで恩恵を受けるのは、もともとそれなりに数学の力がある人だけだ。高校数学でつまずいているような人は、そもそも門前払いであると思っておいた方がよい。後半に進むほど、読み飛ばしたくなる数式のオンパレードになること請け合いである。
著者が教鞭をとる東工大や、旧帝大のレベルの学生なら、この本で学んで得るものは大きいだろう。一方で、それ以外の大多数の文系大学生にとっては、まだまだハードルを感じるだろう。数学が苦手でも読めるようにさらに工夫された初学者向けテキストから入門する方が効率的である。
確かに、巷にあふれる統計学の教科書とは異なり、数式の意味をより丁寧に伝えようと努力している。そこは評価できる。
ただ、それで恩恵を受けるのは、もともとそれなりに数学の力がある人だけだ。高校数学でつまずいているような人は、そもそも門前払いであると思っておいた方がよい。後半に進むほど、読み飛ばしたくなる数式のオンパレードになること請け合いである。
著者が教鞭をとる東工大や、旧帝大のレベルの学生なら、この本で学んで得るものは大きいだろう。一方で、それ以外の大多数の文系大学生にとっては、まだまだハードルを感じるだろう。数学が苦手でも読めるようにさらに工夫された初学者向けテキストから入門する方が効率的である。
2022年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
調査データの特徴から、それを効果的に活用し、示唆を出すための方法論について丁寧に解説されている。
同時に数学を通した統計学の理解について、その重要性を踏まえながらもかなり噛み砕いた説明が整っている。
様々な入門書、学術書があるが、本書はそれらに書かれている内容のちょうど間を埋める良書だと思う。
同時に数学を通した統計学の理解について、その重要性を踏まえながらもかなり噛み砕いた説明が整っている。
様々な入門書、学術書があるが、本書はそれらに書かれている内容のちょうど間を埋める良書だと思う。
2022年7月5日に日本でレビュー済み
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この本がすごいのは「定理」などの数式を出しつつも、その中身を丁寧に言葉で説明し、しかもそれを実際の例(それも映画から実際の研究まで幅広く!)と結びつけるところまで付き合ってくれるところ。
数学詳しい友人のくだけた解説を横で聞きながら、いろんな社会科学の分析例を読んでいけるようなお得感&納得感があります。
統計学や社会調査に興味はあるけれど、出てくる数式が嫌になって読み飛ばしていたらわけわかんなくなって、結局挫折したことがある人や、そんな風になりそうな予感のある人におすすめ。
数式から逃げていないのでサルでもわかる系の本ではないけれど、事例の説得力と、数式を社会科学の言語に翻訳してくれているおかげで、めげずに読めると思う。
数学詳しい友人のくだけた解説を横で聞きながら、いろんな社会科学の分析例を読んでいけるようなお得感&納得感があります。
統計学や社会調査に興味はあるけれど、出てくる数式が嫌になって読み飛ばしていたらわけわかんなくなって、結局挫折したことがある人や、そんな風になりそうな予感のある人におすすめ。
数式から逃げていないのでサルでもわかる系の本ではないけれど、事例の説得力と、数式を社会科学の言語に翻訳してくれているおかげで、めげずに読めると思う。
2022年7月1日に日本でレビュー済み
しっかりとした教科書なのに、大変読みやすくわかりやすい。
事例が面白いのでぐんぐん読めてしまうが、書かれている内容は深い。
数式が細かく丁寧。
事例が面白いのでぐんぐん読めてしまうが、書かれている内容は深い。
数式が細かく丁寧。
2022年7月18日に日本でレビュー済み
数式の説明が丁寧で 社会人の学び直しにも楽しい本
2022年7月1日に日本でレビュー済み
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著者が数学科を出ている方だというので、数学的に難しいところを説明していただけるものと期待して購入しました。
しかし、例えば中心極限定理の説明はこうです
「さて、この定理は数学科に所属している/出身である人以外には,古代文字にしか見えないかもしれない。しかし,ちゃんと解読すれば,この定理が推定に必要不可欠であることが分かる。」(p.94)
…説明になってません。
どうやって解読すればいいか分からないからこの本を買ったのですが。
あと、文献として挙げられている本が、この本よりも安い一般書だったりして…私、もしかして騙されてますか?
しかし、例えば中心極限定理の説明はこうです
「さて、この定理は数学科に所属している/出身である人以外には,古代文字にしか見えないかもしれない。しかし,ちゃんと解読すれば,この定理が推定に必要不可欠であることが分かる。」(p.94)
…説明になってません。
どうやって解読すればいいか分からないからこの本を買ったのですが。
あと、文献として挙げられている本が、この本よりも安い一般書だったりして…私、もしかして騙されてますか?