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シーズン・オブ・ザ・ウィッチ -いかにしてオカルトはロックンロールを救ったのか- 単行本 – 2022/1/31

4.4 5つ星のうち4.4 6個の評価

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ロバート・ジョンソン、シド・バレット、ビートルズ、ドノヴァン、ローリング・ストーンズ、ブラック・サバス、レッド・ツェッペリン、アーサー・ブラウン、デヴィッド・ボウイ、サイキックTV、キリング・ジョーク、ホークウインド、キング・クリムゾン、イエス……。それらの背後で作動し続けたディオニュソス神話、ブードゥー、ヒンドゥー教、ロマン派、象徴派、カバラ、アレイスター・クロウリー、ブラバツキー夫人等々の宗教・神話・芸術・神秘思想に由来する「オカルトの想像力」を浮き彫りにする。
アフリカの宗教音楽からブルースへ。50年代のロックンロール。60年代のフォークソング、サイケデリック・ロック。70年代から80年代にかけてのハード・ロック、グラム・ロック、プログレッシブ・ロック、クラウト・ロック、エレクトロニック・ミュージック、ヘヴィ・メタル、インダストリアル・ロック、ポスト・パンク、ゴシック・ロック。さらには2000年代のドゥーム・メタルやストーナー・ロックまで。
「オカルト」を主軸としたポピュラー・ミュージックの斬新なナラティヴ・ヒストリー。

この壮大な文化的かつ歴史的なオデッセイは、ビートルズからブラック・サバスに至るまでロックンロールへのオカルト伝承の影響を深く掘り起こし、いかにして神秘主義と音楽の間の結婚が世界を変えたかを見せてくれる。

ブードゥーに刺激されたエルヴィス・プレスリーのサウンドからジョージ・ハリスンの東洋の遍歴まで、またレッド・ツェッペリンの暗黒の戯れから現代のヒップホップ・シーンのフリーメーソン的な比喩的表現まで、オカルトはロックやヒップホップへ長い間にわたって命を吹き込んできた。実際、秘教的で超自然的な伝統は、ロックンロールの出現と発展の背後の重要な要素となっている。
鮮やかな語りと明晰で鋭い分析力を持った作家で批評家のピーター・ビーバガルは、この影響関係の織物に光を当て、いかにしてオカルトがポピュラー・ミュージックを形作り――そして救った――かについて決定的な研究を提示している。ビーバガルが説明しているように、オカルトと神秘主義の諸観念はロックンロールに、その真義と目的を与え、単なるバックビート・ミュージックではなく、政治的、精神的、性的、社会的な解放のための文化的な革命へとロックを変化させたのだ。
ビーバガルは、ポピュラー・ミュージックの超有名人たちが、いかにこの精神的な反逆に加わり、そうすることでロックの神秘的な魂を作り上げてきたかを説明する。デヴィッド・ボウイ、キング・クリムゾン、ブラック・サバス、キリング・ジョーク、ローリング・ストーンズ、そしてキッスでさえ、さらにその他多くが、自分たちの音楽的新機軸でロックを変容させただけでなく、いつ終わるともしれない冗長なコードを引き延ばし続ける一連のラジオ向きの45回転盤からロックを救済したのだ。彼らの物語は、オカルトの想像力なくして、私たちが知っているロックやポップは存在しえなかったことを可視化する窓としての役割を果たす。
『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ』は、ロック・カルチャーと直接的または間接的に人生が交差している人物たちにも踏み込んでいる。カウンターカルチャーのアイコンとなった世紀末の魔術師アレイスター・クロウリー。1980年から1990年代のイギリスのミュージシャンたちのサブカルチャー全体にシジル魔術で影響を与えた象徴派の画家オースティン・オスマン・スペア。ビート作家のウィリアム・S・バロウズ。アンダーグラウンドの映画製作者でクロウリーの心酔者ケネス・アンガー。彼らは、ここで語られる物語と文化のイルミネーションの饗宴の中で出会う並外れた人々のほんの一部でしかない。
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出版社からのコメント

「ロックンロールに対して、宗教的ではないにせよ、間違いなく霊的信念体系の地位を、誰もが与えていたように思われるかつての時代を熟考する非常に興味深い論。ピーター・ビーバガルの『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ』は、その全てを思い出させる。ロック文献の重要な場所を占めるに値する、思わず夢中になってしまう読み物」。
――マイケル・ムアコック

「本書は暗闇の中への素晴らしく楽しい向こう見ずな突進であり、秘儀の電気で満たされている。素晴らしい」。
――ウォーレン・エリス、『ガン・マシーン・アンド・トランスメトロポリタン』著者

「グリモワーから『トポグラフィック・オーシャンズ』まで、ヘヴィ・メタルからヒップホップまで、ピーター・ビーバガルは、ポピュラー・ミュージック(そして一部のアンダーグランド・ノイズも)の半世紀の間の秘儀を辿っていく。ロックの神秘主義的な反逆の通覧であると同時に現代のエソテリカの手際のよい入門書ともなっている『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ』は、セックス、ドラッグ、ロックンロールの三位一体を、さらなる神性、すなわち再魔術化された世界へのもう一つの主要な入口であるオカルトによって、完結させる必要があるかもしれないことを示唆している。
――エリック・デイヴィス、『レッド・ツェッペリンIV』、『ノマド・コード:モダン・エソテリカの冒険』著者

「洞察力のある学識と愉快な逸話で語られたピーター・ビーバガルの意識を拡大させるオカルト史は、人間の行動を上回るロックンロールの畏怖すべき力へ私の第三の目を開かせた。私には、ロックンロールが二度と同じに聴こえることはないだろう。そして、私はそのことを歓喜している」。
――マーク・フラウエンフェルダー、『ボイン・ボイン』創設者

「ピーター・ビーバガルは、『ザ・フェイス・ビトイーン・アス』と『トゥー・マッチ・トゥ・ドリーム』の中で、霊的大望と個人的な背景を調和させながら、彼独自の探求について書いてきた。どちらも私の書棚にある。ピーターは、ここ『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ』で、世界を変えようとした一部の人々に働きかけた一つの「オルタナティヴな影響」に関する概説を提示している。危険なほど混乱していた世界を、彼らは変えようとしていた。半世紀後の今は……」。
――ロバート・フリップ

著者について

ピーター・ビーバガル(Peter Bebergal)| ハーバード・ディビニティ・スクールで宗教と文化を学ぶ。妻と息子とともにマサチューセッツ州ケンブリッジ在住。スペキュレイティヴで周縁的なものについて広く執筆している。彼の最近のエッセイやレヴューは、The Times Literary Supplement, Boing Boing, The Believer, The Quietusに掲載されている。これまでに次の著書がある。
Too Much to Dream: A Psychedelic American Boyhood, The Faith Between Us; A Jew and a Catholic Search for the Meaning of God(with Scott Korb) and Strange Frequencies; The Extraordinary Story of the Technological Quest for the Supernatural .

伊泉 龍一(いずみ・りゅういち) | 翻訳家。主な訳書にジョン・マイケル・グリア著『生命の木――ゴールデン・ドーンの伝統のカバラ』(フォーテュナ)、ジョアン・バニング著『ラーニング・ザ・タロット』(駒草出版)、監修にアレハンドロ・ホドロフスキー、マリアンヌ・コスタ著『タロットの宇宙』(国書刊行会)、著書に『タロット大全 歴史から図像まで』(紀伊國屋書店)、『数秘術の世界』(共著、駒草出版)、などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 駒草出版 (2022/1/31)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2022/1/31
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 342ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4909646493
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4909646491
  • 寸法 ‏ : ‎ 15 x 1.8 x 21 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 6個の評価

著者について

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伊泉 龍一
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「オカルト」という怪しげな切り口なので、どうなんだろうとなんて思っていましたが、amazonの原著のレヴューの方を見てみたら、非常に高評価だったので買って読んでみたら……

あまりにも面白くて久しぶりに音楽関連の本を一気読みしてしまいしたよ。個々のアーティストの伝記は好きでよく読みますが、この手の通史的なものも改めて面白いと実感した次第です。ちなみに、著者はオカルトを信じている立場からではまったくなくて、「オカルト的想像力」という視点から書いてます。

ジェイZやゴーストB.Cなど2000年代のアーティストも出てきますが、シド・バレット在籍時のピンク・フロイドや『ベガーズ・バンケット』の頃のローリング・ストーンズや初期キング・クリムゾンなど思いっきり古い時代の音楽が多く扱われているので、若い人よりも中高年のロック・ファンの方が楽しめそうな感じですかね。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年3月9日に日本でレビュー済み
ブラック・サバスとかレッド・ツェッペリンとかの魅力の背後には、確かにオカルト的なイメージがあるよねと言われて、そうそうと思う人なら、この本は面白いと思う。主題の切り口もこれまでありそうでなかったし、著者の「オカルト」への冷静なスタンスにも強く共感。若い頃にロックに惹きつけられたその魅力が何だったのかを改めて想い出させられるはず。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年4月13日に日本でレビュー済み
ただのロックファンには敷居の高い本でした。著者は宗教方面の専門家のようです。オカルトとか神秘主義とかをある程度体系的に知っていないといきなり序章からちんぷんかんぷんとなります。巻末に索引があるので好きなアーティストのページだけ拾い読みはできますが、図版も少ないのでとにかくオカルト用語ググリっぱなし。あとドラッグに縁遠い日本人としてもつらい。値段も高く、内容が大変珍しいので、遠からず入手困難本となるでしょう。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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