「ひとりあそび」という言葉からは、どうしても少し暗い性格の人だったり、「オタク」や「マニア」を連想する。しかし著者の視線は、そうした地平にはない。むしろ、そうした世間一般の見方に左右される世界とは別の世界があることを、大人の階段を登る前の14歳に語るように述べている。
本書のエッセンスは、帯に記載されている。それは、
「みんな」ですることじゃ「ない」楽しいことが、この世界にはたくさんある。そのことを覚えよう
ということ。これは、大人の階段を登りかけた少年少女には逆説的に聞こえる。もともと子供は遊び自体を目的とした「ひとりあそび」の天才だが、大人に近づくにつれ、世間の常識とか、お行儀の良さとか、和の精神のようなものを、いやおうなく教え込まれるからだ。そうした世間体が刷り込まれた大人は「つまらない」と、著者は一刀両断する。そして、自身の「ひとりあそび」として、ランニング、虫採り、旅、コレクション、模型、ゲーム、映画などを詳細に述べている。この記述からは、著者が「ひとりあそび」を純粋に、まるで子供のように楽しんでいることが生き生きと伝わってくる。子供の頃のワクワク、ドキドキした経験こそが本物なのだと、14歳に話しているようだ。
終章では著者の持論として、インターネット社会の弊害、発信することの真の価値が述べられる。ここまで読んだ時、本書は「ひとりあそび」のやりかたを忘れた大人社会に警鐘を鳴らしているように思えてくる。「14歳の世渡り術シリーズ」の中の一冊だが、現代社会批判が内包されており、大人にこそ刺さる本である。
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ひとりあそびの教科書 (14歳の世渡り術) 単行本(ソフトカバー) – 2023/4/26
宇野 常寛
(著)
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たくさん「ひとりあそび」の方法を知ってから大人になる人こそが、世界を面白くできる――他人の見方や他人からの評価などを気にせず、純粋に、自分が触れたものに喜びを感じる方法を学ぶ。
他の人の反応なんか気にならないくらい、「あそび」に夢中になっていい。
ランニング、虫採り、旅、コレクション、模型、ゲーム、映画……
「みんな」ですることじゃ「ない」楽しいことが、この世界にはたくさんある。
そのことを覚えよう。
【目次】
序章 「ひとりあそび」のすすめ
これは「ひとり」であそぶための本だ/世界には二通りの人間がいる/世界の仕組みの変化
/「あそび」で世界の見方を変える/「世間」という言葉に騙されない/大人は「あそび」方を忘れている……
第1章 街に走りに出てみよう
「走る」ことだけで「あそび」になる/「体育」嫌いだった僕が「走る」ようになった理由
/「競技スポーツ」から「ライフスタイルスポーツ」へ/「目的」をもたずに走るのは楽しい……
第2章 生き物たちに触れてみよう
都会のカブトムシを探して/犬や猫よりも「虫」が好きな理由/大人になってカブトムシに再会
/「みんな」の夜から「ひとり」の朝へ/ひとりで森に行くと、見えてくる……
第3章 ひとりで「旅」に出てみよう
小さな「ひとり旅」から始めよう/「隣の街」に出かけてみよう/「近くて遠い場所」に出かけよう
/旅先では「いつものように」過ごす/違う場所に行くと、違う考えが浮かんでくる……
第4章 「もの」をたくさん集めてみよう
「役に立たない」ものを集める/僕と仮面ライダーの出会い/200円で買えるアート
/第3土曜日はトミカの日/ブロックの本物らしさ/「シュライヒ」でつくる僕の農場……
第5章 ゲーム「で」しっかりあそんでみよう
読んだり観たりしてみよう/ゲームをやりつくすと攻略しなくなる
/ゲームにあそばれず、ゲームであそぶ/読書とは「ゲームをつくる」こと……
終章 もう一度、ひとりあそびのすすめ
「他人の物語」から「自分の物語」へ/「共感」するのをやめてみよう
/「発信」することで人間はつまらなくなってきた/あたらしい世の中の罠/それでも「発信」してみよう……
他の人の反応なんか気にならないくらい、「あそび」に夢中になっていい。
ランニング、虫採り、旅、コレクション、模型、ゲーム、映画……
「みんな」ですることじゃ「ない」楽しいことが、この世界にはたくさんある。
そのことを覚えよう。
【目次】
序章 「ひとりあそび」のすすめ
これは「ひとり」であそぶための本だ/世界には二通りの人間がいる/世界の仕組みの変化
/「あそび」で世界の見方を変える/「世間」という言葉に騙されない/大人は「あそび」方を忘れている……
第1章 街に走りに出てみよう
「走る」ことだけで「あそび」になる/「体育」嫌いだった僕が「走る」ようになった理由
/「競技スポーツ」から「ライフスタイルスポーツ」へ/「目的」をもたずに走るのは楽しい……
第2章 生き物たちに触れてみよう
都会のカブトムシを探して/犬や猫よりも「虫」が好きな理由/大人になってカブトムシに再会
/「みんな」の夜から「ひとり」の朝へ/ひとりで森に行くと、見えてくる……
第3章 ひとりで「旅」に出てみよう
小さな「ひとり旅」から始めよう/「隣の街」に出かけてみよう/「近くて遠い場所」に出かけよう
/旅先では「いつものように」過ごす/違う場所に行くと、違う考えが浮かんでくる……
第4章 「もの」をたくさん集めてみよう
「役に立たない」ものを集める/僕と仮面ライダーの出会い/200円で買えるアート
/第3土曜日はトミカの日/ブロックの本物らしさ/「シュライヒ」でつくる僕の農場……
第5章 ゲーム「で」しっかりあそんでみよう
読んだり観たりしてみよう/ゲームをやりつくすと攻略しなくなる
/ゲームにあそばれず、ゲームであそぶ/読書とは「ゲームをつくる」こと……
終章 もう一度、ひとりあそびのすすめ
「他人の物語」から「自分の物語」へ/「共感」するのをやめてみよう
/「発信」することで人間はつまらなくなってきた/あたらしい世の中の罠/それでも「発信」してみよう……
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2023/4/26
- 寸法13 x 2 x 18.8 cm
- ISBN-104309617506
- ISBN-13978-4309617503
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商品の説明
著者について
宇野 常寛(うの・つねひろ)
1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』ほか。
1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』ほか。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2023/4/26)
- 発売日 : 2023/4/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 224ページ
- ISBN-10 : 4309617506
- ISBN-13 : 978-4309617503
- 寸法 : 13 x 2 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 153,996位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,142位ノンフィクションのスポーツ
- - 6,320位スポーツ・アウトドア (本)
- - 18,320位絵本・児童書 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。
著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『原子爆弾とジョーカーなき世界』(メディアファクトリー)、『楽器と武器だけが人を殺すことができる』(KADOKAWA/メディアファクトリー)。
共著に石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント――この国の未来をつくる七つの対話』(共編著、河出書房新社)など。
企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)。NHK討論番組への出演、J-WAVE「THE HANGOUT」月曜日レギュラーパーソナリティとしても知られる。
カスタマーレビュー
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読者が自らの頭で考え,「あそび」を開拓し,自身の生活を見つめなおすことでその真価が発揮される著作
4月27日に出版された宇野常寛著『ひとりあそびの教科書』(14歳の世渡り術)(河出書房新社)を興味深く読んだ。1 総論 まず気づいたことを総論としてまとめてみたい。 第一に,本書は中高生を主たる読者層として想定された著作であるが,いわゆる大人にとっても得るものがあると考えられる。むしろ,「飲み会」やFacebook,Twitterに代表される,他者の目や見え方を意識した「あそび」に慣れ,自明視している大人が,自身の生活や生き方を問い直す意味で,(安宅和人氏も述べているとおり,)大人が読むべき著作ではないかと考えられる。 第二に,本書は,これまで発表されてきた著者の思想のエッセンスを,水準を落とさずに子どもにも理解できるようにかみ砕いて説いており,宇野常寛氏の著作群の入門書としても有効であるという点である。すなわち,(私もそうであるが)『母性のディストピア』や,『砂漠と異人たち』等で挫折した人も,『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』や『水曜日は働かない』に加えて本書を手がかりとすることで,宇野思想を理解する手助けとなると考えられる。 第三に,本書は「ひとり」で孤独に行う「あそび」(p.13)について記載された著作であるが,多分に交友への可能性を開く著作であると感じた。すなわち,本書では「飲み会」に代表される大人の「あそび」(p.26)や,「人と比べ,見せびらかす」ことを否定(p.48)しているところ,逆説的に考えると,本書で推奨される「あそび」方を追求することで,いわゆる「世間」や「人からどう思われるか」に左右されず,「あそび」自体を共に楽しめる,他者との「純粋」な交友をもたらす可能性を持っていると考えられる。そして,本書の終章でも述べられている「発信」を実行することは,その手助けになると考えられる。2 各論 次に,ミクロな点で気付いたことを各論としてまとめてみたい。 第一に,p.60以降で具体的に記載されている「ライフスタイルスポーツ」について,楽しい⇔苦痛 自分を意識⇔他者を意識という2軸を用いて4象限で考えると,「学校体育」や「飲み会」との対比が理解しやすくなると考えられる。具体的には別途掲載した画像のとおりである。なお,この4象限は,「遅いインターネット」において提示されている文化の4象限と若干異なっているが,自分⇔他人という軸が共通するという意味で通じるものがあると考えられる。また,(若干論理に飛躍があり,かつ本書の記載内容と若干異なるが),本書を読みながら,本書で紹介されるあそびのスタンスと対極にいたのが,『砂漠と異人たち』にて紹介されたT.E.ロレンスではないかと感じた。すなわち,「メディアの中で自由に自己像を確立するための舞台として」砂漠を設定し,「閉じた相互評価のネットワークの中に入り込」んだ(『砂漠と異人たち』第4部,30)ロレンスは,本書におけるあそびと真逆の行動をしていたのではないかと思う。 第二に,本書には「読ませる仕掛け」が盛り込まれていることが挙げられる。まず,本書は「あそび」の概念論に取り組んでいるが,表紙のイラストにより中高生でも手に取るハードルが下げられている。また,第1・3章では写真がカラーで掲載されていることで,読者が走ることや旅についてのイメージを具体的に持たせやすくなっている。 第三に,子どもの「あそび」とは,(以下私見が入るが)一般的に子どもの自発性・自由にゆだねるべきと考えられがちであるが,本書は逆に,「目的」をもたない(p.45),人と比べない,見せびらかさない(p.48),繰り返し訪れる(第2章及び第3章)など,あえて「あそび」に限定を加え,捨象することで,「あそび」の純粋性を高め,再定義することに成功していると考えられる。3 今後の展開について 最後に本書が提示した「あそび」観から想定される,今後の展開の可能性について考えてみたい。 第一に,本書に記載された以外の「あそび」を開拓する可能性である。例えば,「食」や「食べること」を「あそび」に進化させるという可能性はないだろうか。すなわち,食や食べることに本書の序章で示された【ひとりあそびの4つのルール】を適用し,例えば,同じ料理を複数の店舗で食べ歩き,違いを追求する【ルール2】,「食べること」自体を純粋に楽しむ【ルール3】などである。資金が必要となるため子どもには若干ハードルが高いが,本書を応用しこうした思考実験を行うことも有効と考えられる。 第二に,本書での「あそび」観を仕事につなげるという可能性である。私事で恐縮だが,私は数年前まである組織に勤務していたところ,上司や同僚からの評価に拘るあまり,仕事の本来の意義や楽しさについて見失ってしまうという経験をした。一方本書で提示された,「あそび」そのものにいわば没入する感覚や,『砂漠と異人たち』等にて示された「庭」という概念を内面化することで,働く人は仕事そのものに純粋に向き合い,働く意義を再自覚できるのではないか。そうした意味では,本書の観点から労働観・ライフキャリア観をより深く描くような,筆者の今後の著作に期待したい。 第三に,本書での「あそび」観を教育につなげるという可能性である。例えば,ライフスタイルスポーツという観点から学校体育を再構築すること,第2章で述べられた生き物へのアプローチを,学校での理科・生物や総合的な学習の時間に取り入れることは,学校教育にインパクトをもたらし得ると考えられる。これは,19~20世紀にジョン・デューイが行おうとした,アクティブ・ラーニングの先駆とも言える取組みにも通底すると思う。 以上述べてきたように,本書はその内容から,読者が自らの頭で考え,「あそび」を開拓し,自身の生活を見つめなおすことでその真価が発揮される著作であると思う。より多くの人々に本書を手に取ってもらい,本書について話し合いたいと感じた。
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2023年5月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2023年5月2日に日本でレビュー済みAmazonで購入この手の遊び本は少ない。ホイジンガやカイヨワのように、遊びそれ自体を分析していく本は意外と少ない。(子供の教育過程での遊び本ならそれなりにある。)なので、買った。
ゲームの遊び方について、縛りプレーを中心に説明されている点が勉強になった。僕はゲームに対して正攻法で攻略しすぎていたなあ。
読後、正攻法で攻略することは、モルモットが回転台で走りつづけることにように思えてきて、なさけなくなった。例えばドラクエなら、魔法禁止プレーとか、サッカーゲームならパス禁止というような、自分のアレンジというかこだわりを加えることで、一気に遊び感は増す。それは楽しい。
もしかしたら、この本は孤独本にも該当するかもしれない。そうすると、この手の本としてはネガティヴな言説が少なくて読んでいて爽やかだった。○haさんの本と比べると、ビジネス臭は少ない。また、持説が数年間でコロコロ変わらなさそうな点も好感が持てる。
故に星5。
- 2024年6月25日に日本でレビュー済み特に後半の文章から偏った思考が見てとれる。14歳に読ませるべきものではないと感じた。
- 2023年5月31日に日本でレビュー済み4月27日に出版された宇野常寛著『ひとりあそびの教科書』(14歳の世渡り術)(河出書房新社)を興味深く読んだ。
1 総論
まず気づいたことを総論としてまとめてみたい。
第一に,本書は中高生を主たる読者層として想定された著作であるが,いわゆる大人にとっても得るものがあると考えられる。むしろ,「飲み会」やFacebook,Twitterに代表される,他者の目や見え方を意識した「あそび」に慣れ,自明視している大人が,自身の生活や生き方を問い直す意味で,(安宅和人氏も述べているとおり,)大人が読むべき著作ではないかと考えられる。
第二に,本書は,これまで発表されてきた著者の思想のエッセンスを,水準を落とさずに子どもにも理解できるようにかみ砕いて説いており,宇野常寛氏の著作群の入門書としても有効であるという点である。すなわち,(私もそうであるが)『母性のディストピア』や,『砂漠と異人たち』等で挫折した人も,『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』や『水曜日は働かない』に加えて本書を手がかりとすることで,宇野思想を理解する手助けとなると考えられる。
第三に,本書は「ひとり」で孤独に行う「あそび」(p.13)について記載された著作であるが,多分に交友への可能性を開く著作であると感じた。すなわち,本書では「飲み会」に代表される大人の「あそび」(p.26)や,「人と比べ,見せびらかす」ことを否定(p.48)しているところ,逆説的に考えると,本書で推奨される「あそび」方を追求することで,いわゆる「世間」や「人からどう思われるか」に左右されず,「あそび」自体を共に楽しめる,他者との「純粋」な交友をもたらす可能性を持っていると考えられる。そして,本書の終章でも述べられている「発信」を実行することは,その手助けになると考えられる。
2 各論
次に,ミクロな点で気付いたことを各論としてまとめてみたい。
第一に,p.60以降で具体的に記載されている「ライフスタイルスポーツ」について,楽しい⇔苦痛 自分を意識⇔他者を意識という2軸を用いて4象限で考えると,「学校体育」や「飲み会」との対比が理解しやすくなると考えられる。具体的には別途掲載した画像のとおりである。なお,この4象限は,「遅いインターネット」において提示されている文化の4象限と若干異なっているが,自分⇔他人という軸が共通するという意味で通じるものがあると考えられる。また,(若干論理に飛躍があり,かつ本書の記載内容と若干異なるが),本書を読みながら,本書で紹介されるあそびのスタンスと対極にいたのが,『砂漠と異人たち』にて紹介されたT.E.ロレンスではないかと感じた。すなわち,「メディアの中で自由に自己像を確立するための舞台として」砂漠を設定し,「閉じた相互評価のネットワークの中に入り込」んだ(『砂漠と異人たち』第4部,30)ロレンスは,本書におけるあそびと真逆の行動をしていたのではないかと思う。
第二に,本書には「読ませる仕掛け」が盛り込まれていることが挙げられる。まず,本書は「あそび」の概念論に取り組んでいるが,表紙のイラストにより中高生でも手に取るハードルが下げられている。また,第1・3章では写真がカラーで掲載されていることで,読者が走ることや旅についてのイメージを具体的に持たせやすくなっている。
第三に,子どもの「あそび」とは,(以下私見が入るが)一般的に子どもの自発性・自由にゆだねるべきと考えられがちであるが,本書は逆に,「目的」をもたない(p.45),人と比べない,見せびらかさない(p.48),繰り返し訪れる(第2章及び第3章)など,あえて「あそび」に限定を加え,捨象することで,「あそび」の純粋性を高め,再定義することに成功していると考えられる。
3 今後の展開について
最後に本書が提示した「あそび」観から想定される,今後の展開の可能性について考えてみたい。
第一に,本書に記載された以外の「あそび」を開拓する可能性である。例えば,「食」や「食べること」を「あそび」に進化させるという可能性はないだろうか。すなわち,食や食べることに本書の序章で示された【ひとりあそびの4つのルール】を適用し,例えば,同じ料理を複数の店舗で食べ歩き,違いを追求する【ルール2】,「食べること」自体を純粋に楽しむ【ルール3】などである。資金が必要となるため子どもには若干ハードルが高いが,本書を応用しこうした思考実験を行うことも有効と考えられる。
第二に,本書での「あそび」観を仕事につなげるという可能性である。私事で恐縮だが,私は数年前まである組織に勤務していたところ,上司や同僚からの評価に拘るあまり,仕事の本来の意義や楽しさについて見失ってしまうという経験をした。一方本書で提示された,「あそび」そのものにいわば没入する感覚や,『砂漠と異人たち』等にて示された「庭」という概念を内面化することで,働く人は仕事そのものに純粋に向き合い,働く意義を再自覚できるのではないか。そうした意味では,本書の観点から労働観・ライフキャリア観をより深く描くような,筆者の今後の著作に期待したい。
第三に,本書での「あそび」観を教育につなげるという可能性である。例えば,ライフスタイルスポーツという観点から学校体育を再構築すること,第2章で述べられた生き物へのアプローチを,学校での理科・生物や総合的な学習の時間に取り入れることは,学校教育にインパクトをもたらし得ると考えられる。これは,19~20世紀にジョン・デューイが行おうとした,アクティブ・ラーニングの先駆とも言える取組みにも通底すると思う。
以上述べてきたように,本書はその内容から,読者が自らの頭で考え,「あそび」を開拓し,自身の生活を見つめなおすことでその真価が発揮される著作であると思う。より多くの人々に本書を手に取ってもらい,本書について話し合いたいと感じた。
4月27日に出版された宇野常寛著『ひとりあそびの教科書』(14歳の世渡り術)(河出書房新社)を興味深く読んだ。
1 総論
まず気づいたことを総論としてまとめてみたい。
第一に,本書は中高生を主たる読者層として想定された著作であるが,いわゆる大人にとっても得るものがあると考えられる。むしろ,「飲み会」やFacebook,Twitterに代表される,他者の目や見え方を意識した「あそび」に慣れ,自明視している大人が,自身の生活や生き方を問い直す意味で,(安宅和人氏も述べているとおり,)大人が読むべき著作ではないかと考えられる。
第二に,本書は,これまで発表されてきた著者の思想のエッセンスを,水準を落とさずに子どもにも理解できるようにかみ砕いて説いており,宇野常寛氏の著作群の入門書としても有効であるという点である。すなわち,(私もそうであるが)『母性のディストピア』や,『砂漠と異人たち』等で挫折した人も,『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』や『水曜日は働かない』に加えて本書を手がかりとすることで,宇野思想を理解する手助けとなると考えられる。
第三に,本書は「ひとり」で孤独に行う「あそび」(p.13)について記載された著作であるが,多分に交友への可能性を開く著作であると感じた。すなわち,本書では「飲み会」に代表される大人の「あそび」(p.26)や,「人と比べ,見せびらかす」ことを否定(p.48)しているところ,逆説的に考えると,本書で推奨される「あそび」方を追求することで,いわゆる「世間」や「人からどう思われるか」に左右されず,「あそび」自体を共に楽しめる,他者との「純粋」な交友をもたらす可能性を持っていると考えられる。そして,本書の終章でも述べられている「発信」を実行することは,その手助けになると考えられる。
2 各論
次に,ミクロな点で気付いたことを各論としてまとめてみたい。
第一に,p.60以降で具体的に記載されている「ライフスタイルスポーツ」について,楽しい⇔苦痛 自分を意識⇔他者を意識という2軸を用いて4象限で考えると,「学校体育」や「飲み会」との対比が理解しやすくなると考えられる。具体的には別途掲載した画像のとおりである。なお,この4象限は,「遅いインターネット」において提示されている文化の4象限と若干異なっているが,自分⇔他人という軸が共通するという意味で通じるものがあると考えられる。また,(若干論理に飛躍があり,かつ本書の記載内容と若干異なるが),本書を読みながら,本書で紹介されるあそびのスタンスと対極にいたのが,『砂漠と異人たち』にて紹介されたT.E.ロレンスではないかと感じた。すなわち,「メディアの中で自由に自己像を確立するための舞台として」砂漠を設定し,「閉じた相互評価のネットワークの中に入り込」んだ(『砂漠と異人たち』第4部,30)ロレンスは,本書におけるあそびと真逆の行動をしていたのではないかと思う。
第二に,本書には「読ませる仕掛け」が盛り込まれていることが挙げられる。まず,本書は「あそび」の概念論に取り組んでいるが,表紙のイラストにより中高生でも手に取るハードルが下げられている。また,第1・3章では写真がカラーで掲載されていることで,読者が走ることや旅についてのイメージを具体的に持たせやすくなっている。
第三に,子どもの「あそび」とは,(以下私見が入るが)一般的に子どもの自発性・自由にゆだねるべきと考えられがちであるが,本書は逆に,「目的」をもたない(p.45),人と比べない,見せびらかさない(p.48),繰り返し訪れる(第2章及び第3章)など,あえて「あそび」に限定を加え,捨象することで,「あそび」の純粋性を高め,再定義することに成功していると考えられる。
3 今後の展開について
最後に本書が提示した「あそび」観から想定される,今後の展開の可能性について考えてみたい。
第一に,本書に記載された以外の「あそび」を開拓する可能性である。例えば,「食」や「食べること」を「あそび」に進化させるという可能性はないだろうか。すなわち,食や食べることに本書の序章で示された【ひとりあそびの4つのルール】を適用し,例えば,同じ料理を複数の店舗で食べ歩き,違いを追求する【ルール2】,「食べること」自体を純粋に楽しむ【ルール3】などである。資金が必要となるため子どもには若干ハードルが高いが,本書を応用しこうした思考実験を行うことも有効と考えられる。
第二に,本書での「あそび」観を仕事につなげるという可能性である。私事で恐縮だが,私は数年前まである組織に勤務していたところ,上司や同僚からの評価に拘るあまり,仕事の本来の意義や楽しさについて見失ってしまうという経験をした。一方本書で提示された,「あそび」そのものにいわば没入する感覚や,『砂漠と異人たち』等にて示された「庭」という概念を内面化することで,働く人は仕事そのものに純粋に向き合い,働く意義を再自覚できるのではないか。そうした意味では,本書の観点から労働観・ライフキャリア観をより深く描くような,筆者の今後の著作に期待したい。
第三に,本書での「あそび」観を教育につなげるという可能性である。例えば,ライフスタイルスポーツという観点から学校体育を再構築すること,第2章で述べられた生き物へのアプローチを,学校での理科・生物や総合的な学習の時間に取り入れることは,学校教育にインパクトをもたらし得ると考えられる。これは,19~20世紀にジョン・デューイが行おうとした,アクティブ・ラーニングの先駆とも言える取組みにも通底すると思う。
以上述べてきたように,本書はその内容から,読者が自らの頭で考え,「あそび」を開拓し,自身の生活を見つめなおすことでその真価が発揮される著作であると思う。より多くの人々に本書を手に取ってもらい,本書について話し合いたいと感じた。
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- 2023年5月15日に日本でレビュー済みこの本は普段大人の人むけに難しい本を書いている宇野さんが、中高生の若者のために書いた「あそびの本」です。それもみんなが想像するような遊びではなく、ひとりだからこそ楽しめる「ひとりあそび」の入門書です。
紹介されている遊びは、誰でも簡単に始められるものばかり。
近所を走って、自分の身体で街を知ること。
虫や生き物に触れてその美しさに感動すること。
役には立たないけれど大好きな物を集めて毎日を楽しくすること。
そして沢山の物語に触れること。
どれも簡単なあそびだけれど、ひとりでとことん味わい尽くすと、自分の中にある本当に好きなものや本当に楽しいことが見えてくる。人と比べたり、誰かの顔色を窺って我慢することなく思いっきりあそぶことで、世界はどんどん広く深く面白くなっていく。
ひとりで遊ぶのは寂しい。
でも「みんな」の中には見つからない秘密の宝箱が、ひとりあそびの中にはある。
この本を読むと自分の中に隠れてる秘密の宝箱の見つけ方を、宇野さんがこっそり教えてくれます。
中高生にも、大人の人にも、是非読んで欲しい一冊です。
- 2023年4月28日に日本でレビュー済み新しい学習指導要領では、子どもたちが自ら未来を切り開いていく力を育むことを掲げ、「主体的・対話的で深い学び」を実現することを目指している。そこで重視されているのが「探究学習」だ。
探究学習は、自ら問いを立て、解決に向けて情報を収集したり、整理・分析し、最後に発表するというのが基本的な流れとなる。
これまで聞くばっかりの授業を受けてきた子供たちが、自ら考えて学んでいくことはなかなか大変だ。しかし、それを得意とする子もいるだろう。それはこの本に書かれているよな遊びかたができる子どもたちだ。
身近なことや好きなことについてじっくりと考えたり、掘り下げていくことが、そもそも探究学習の基本であり、それを子どもの頃からやってきたかどうかで、大きく変わってくる。
本書に書いてあることは、とても簡単に始めることができるけれど、この視点に自分で気付くことはなかなか難しい。だからこそ、ひとり遊びの楽しさや豊かさを知る「きっかけ」を与えてくれるこの本は、とても貴重だ。
私は以前著者が書いたランニングにまつわる記事を読み、ランニングを始め、2キロでヒーヒー言っていたはずなのに、今では10キロ以上の距離を自分なりの楽しみ方で走り続けている。
あまりにも楽しそうに走り続けている私をみて、ついに娘が走り出した。ほんの少しのコツを教えると、あとは自分なりの楽しみ方を見つけて、継続して走っている。
このように、私たち大人が子どもたちにしてあげられることは、何かしらの「きっかけ」を与えてあげることだ。
遊び方を知らない多くの子どもたちにとってこの本が、ひとりあそびの楽しさや、考える楽しさを知る「きっかけ」になれば良いなと思う。この本にも書かれているが、他人の何かを気にしてるばっかりじゃなくて、日々の自分だけのちょっとしたことを楽しめる子ども(そして大人)が増えていったら、少しずつ世の中は良い方向に変わっていくのだと思う。
ちょっと話が逸れたけれど、探究学習の基本と言えるこの本を、子どもだけでなく先生や大人たちにも是非読んでもらいたい。
新しい学習指導要領では、子どもたちが自ら未来を切り開いていく力を育むことを掲げ、「主体的・対話的で深い学び」を実現することを目指している。そこで重視されているのが「探究学習」だ。
探究学習は、自ら問いを立て、解決に向けて情報を収集したり、整理・分析し、最後に発表するというのが基本的な流れとなる。
これまで聞くばっかりの授業を受けてきた子供たちが、自ら考えて学んでいくことはなかなか大変だ。しかし、それを得意とする子もいるだろう。それはこの本に書かれているよな遊びかたができる子どもたちだ。
身近なことや好きなことについてじっくりと考えたり、掘り下げていくことが、そもそも探究学習の基本であり、それを子どもの頃からやってきたかどうかで、大きく変わってくる。
本書に書いてあることは、とても簡単に始めることができるけれど、この視点に自分で気付くことはなかなか難しい。だからこそ、ひとり遊びの楽しさや豊かさを知る「きっかけ」を与えてくれるこの本は、とても貴重だ。
私は以前著者が書いたランニングにまつわる記事を読み、ランニングを始め、2キロでヒーヒー言っていたはずなのに、今では10キロ以上の距離を自分なりの楽しみ方で走り続けている。
あまりにも楽しそうに走り続けている私をみて、ついに娘が走り出した。ほんの少しのコツを教えると、あとは自分なりの楽しみ方を見つけて、継続して走っている。
このように、私たち大人が子どもたちにしてあげられることは、何かしらの「きっかけ」を与えてあげることだ。
遊び方を知らない多くの子どもたちにとってこの本が、ひとりあそびの楽しさや、考える楽しさを知る「きっかけ」になれば良いなと思う。この本にも書かれているが、他人の何かを気にしてるばっかりじゃなくて、日々の自分だけのちょっとしたことを楽しめる子ども(そして大人)が増えていったら、少しずつ世の中は良い方向に変わっていくのだと思う。
ちょっと話が逸れたけれど、探究学習の基本と言えるこの本を、子どもだけでなく先生や大人たちにも是非読んでもらいたい。
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- 2023年5月20日に日本でレビュー済み「みんなといるのになんか寂しい」
「ひとりで何かに夢中になって時間が経つのを忘れたことがある」
こんな経験がある人は是非手に取って読んでほしいです。