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関係人口の社会学―人口減少時代の地域再生 単行本 – 2021/4/25
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『関係人口をつくる』の著者が、関係人口を社会学の見地から定義し、その役割を論じた本邦初の「関係人口の研究書」!
各地の事例と新たな理論の枠組みによって関係人口を位置づけ直し、人口減少時代の地域再生の方向性を示す。
「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。本書では、関係人口という新たな主体の存在と、関係人口が地域の再生に果たす役割を明らかにすることで、これからの人口減少時代における地域再生の在り方と、再生に向けた具体的な方法論を示す。新型コロナウイルスの影響を踏まえて今後の地域と関係人口を検討する補論も付しており、地域行政や地域づくりに関わる人必携の書となっている。
はじめに
序章 かつてない〝危機〞の中で
1地方消滅への過剰な対抗
2心の過疎化
3ねらいと構成
4本書の手法について
5島根県というフィールド
第1部関係人口とは何か
第1章 誕生前史― 地域社会の変容
1人口減少の段階による三つの時代区分
2「金の卵」を見送って― 過疎の誕生
3大衆教育社会― 大学進学による流出
4限界から消滅へ― 加熱する人口獲得合戦
5地域衰退サイクル
第2章 関係人口の概念規定
1登場の意味
2混乱と批判
3社会学的背景
4社会学的定義
5広がりと多様性
第3章 関係人口の分析視角
1二つの問い
2地域再生主体の歴史的展開
3主体形成論の再検討
4社会関係資本と主体形成
5地域再生におけるよそ者の役割
第2部 関係人口の群像
第4章 廃校寸前から魅力ある高校へ― 島根県海士町
1調査対象と方法
2「海のサムライ」
3このままでは無人島になる
4最先端でのチャレンジ
5「魅力化」という本質的なビジョン
6志を果たしに、帰らん
第5章 シャッター通り商店街が蘇った― 島根県江津市
1調査対象と方法
2東京から一番遠いまち
3企業誘致から起業家誘致へ
4帰ってこれる島根をつくろう
5地元の私たちも何かしたい
6 「人が人を呼ぶ」好循環
第6章 消滅する集落で安心して暮らす― 香川県まんのう町
1調査対象と方法
2平家の落人伝説
3役場じゃどうにもならない
4「俺たちはのたれ死ぬだけだ」
5進化する転出子懇談会
6集落の尊厳を守る
第3部 関係人口と地域再生
第7章 地域再生主体の形成
1主体形成の3ステップ
2「連帯型」という社会関係資本
3地域再生主体としての関係人口
4関係人口の可能性
第8章 関係人口が果たす役割
1地域再生サイクル
2地域再生サイクルにおける位置付け
3現代社会における地域再生
4地域課題という「関わりしろ」
終章 目指すべきものは何か
補論新型コロナウイルスと関係人口
注
参考文献
謝辞
索引
- 本の長さ386ページ
- 言語日本語
- 出版社大阪大学出版会
- 発売日2021/4/25
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-10487259729X
- ISBN-13978-4872597295
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商品の説明
著者について
1999年、山陰中央新報社に入社し、琉球新報社との合同企画「環(めぐ)りの海−竹島と尖閣」で2013年新聞協会賞を受賞。2014年秋、同社を退職し、フリーのローカルジャーナリストとして、変わらず島根に暮らしながら、地域のニュースを記録している。
主な著書に『関係人口をつくる―定住でも交流でもないローカルイノベーション』(2017年、木楽舎)、『未来を変えた島の学校―隠岐島前発ふるさと再興への挑戦』(共著、2015年、岩波書店)など。2018年度総務省ふるさとづくり大賞奨励賞受賞。
2020年、大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了。博士(人間科学)。
2021年4月、島根県立大学地域政策学部准教授に着任。。また、過疎の発祥地から「過疎は終わった! 」と問い、百年続けることを掲げる年刊誌『みんなでつくる中国山地』プロジェクトも仲間と始めた。
登録情報
- 出版社 : 大阪大学出版会 (2021/4/25)
- 発売日 : 2021/4/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 386ページ
- ISBN-10 : 487259729X
- ISBN-13 : 978-4872597295
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 25,834位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10位地方自治
- - 1,561位社会学 (本)
- - 2,825位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
ローカルジャーナリスト。島根県浜田市生まれ。大阪大学文学部卒。1999年、山陰中央新報社に入社し、ふるさとで働く喜びに目覚める。琉球新報社との合同企画「環(めぐ)りの海−竹島と尖閣」で2013年新聞協会賞を受賞。2014年秋、同社を退職し、フリーのローカルジャーナリストとして、変わらず島根に暮らしながら、地域のニュースを記録、発信している。第11回ロハスデザイン大賞2016ヒト部門大賞受賞。2020年、大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了。博士(人間科学)。一般社団法人・日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)運営委員も務めている。また、仲間と中国山地編集舎を立ち上げ、100年続ける年鑑『みんなでつくる中国山地』の取り組みも始めた。
著書
2015年3月『未来を変えた島の学校』(岩波書店)
2015年8月『地域ではたらく「風の人」という新しい選択』(ハーベスト出版)第29回地方出版文化功労賞受賞、第2回島根本大賞受賞
2016年8月 『ローカル鉄道という希望−新しい地域再生、はじまる』(河出書房新社)第42回交通図書賞奨励賞受賞
2017年4月『よそ者と創る新しい農山村』 (JC総研ブックレット)
2017年10月『関係人口をつくる−定住でも交流でもないローカルイノベーション』(木楽舎)
2018年5月 『ローカルジャーナリストガイド−地域で暮らし、地域から発信する人のための教科書』(JCEJ)
2019年12月 『みんなでつくる中国山地』(中国山地編集舎)
2020年2月 『すごいぞ!関西ローカル鉄道物語』(140B)
2021年4月 『関係人口の社会学』(大阪大学出版会)
イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
ここから期待したいもう一歩先の議論としては、地域の再生について役割を担う関係人口の他に、どのような関係人口のあり方があるのか、というあたりです。本書は全体の主題として地域再生の主体の問題を設定しています。これは地域側の問題意識ではありますが、関係人口が地域外から関係性を持つ人口であることを考慮すれば、地域再生以外の多様な関心や地域との関わり方があるのではないでしょうか。このあたり、地域に対して「再生」や「活性化」というような「地域をより良くするという本質においては共通している」言葉群を一旦すべて手放すことではじめて見えてくるように思いました。関係人口という概念についての本書の続編の議論がとても楽しみです。
最後に補足的な項目ですが、参考文献の並びがアルファベット順になっているため、すぐに見つけることができず、読み進めるのに苦労しました。文献をひとつずつ辿るのが非常に骨が折れる作業でした。博士論文として提出されたものであるためこのようになっていると思うのですが、本編が日本語ですので、参考文献もぜひあいうえお順にして再編集して頂けると、さらに読みやすくなると思いました。とはいえ、本書の内容はぜひ英語にして頂いて、関係人口という概念を日本からぜひ発信して欲しいと思います。