素敵な本です。紹介されている銘仙がどれも可愛くて、カッコよくて、そのクオリティにおどろきました。それがグループごとに登場してくるので、それぞれの世界観に浸りやすい構成です。
コラムも読みやすくて、銘仙の歴史や銘仙と産業との関わりが丁寧に、楽しく書かれています。銘仙がおしゃれの中心にいた時代を想像して楽しくなりました。また、夢二の伊勢崎銘仙嫌いについて書かれた、ちょっと硬派なコラムも面白かったです。なよっとした夢二の美人画に対する違和感の理由がよく分かりました。見て楽しみ、読んで楽しみ、ドキドキしながらページをめくりました。コーディネート解説もあって、一般的な展覧会の図録とは違う、多方面から楽しめる良書だと思います。
もともと大野らふさんのスタイリングが好きで、著書はほとんど持っています。コーディネートに清潔感があって、かわいい。柄と柄の合わせ方がきれい。アンティーク着物のコーディネートはごちゃごちゃしていると感じることが多いのですが、らふさんのスタイリングは帽子やブーツを合わせてもなぜか自然。着物と帯のバランスが絶妙です。着物の色柄の扱いについて、一種の「絶対音感」的な感覚をあるのだろうと推測しています。唯一無二のスタイリストです。
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