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境界線(バウンダリーズ) 単行本 – 2004/10/1
- 本の長さ508ページ
- 言語日本語
- 出版社地引網出版
- 発売日2004/10/1
- ISBN-104901634089
- ISBN-13978-4901634083
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商品の説明
著者からのコメント
出版社からのコメント
抜粋
私を訪ねて来たあるご夫妻から、よくある依頼を受けました。彼らにはビルという二十五歳の息子がいて、その息子を「直して」欲しいと言うのです。ビルはどこですかと尋ねると、彼らは言いました。「ああ、ビルは来たくないと言ったので」
「どうしてですか?」
「ええと、彼は自分に問題があるとは思っていないからです」
「彼の言う通りかもしれませんね」 私の返事は彼らを驚かせたようでした。「お話を聞かせてください」
二人は、幼児期に始まった息子の問題の履歴を数え挙げました。彼らから見ると、ビルはどうも「できが悪い」のだそうです。近年では、薬物に手を出す、学校を退学する、就職できない、などの問題を抱えていました。
彼らが息子をとても愛し、その生活態度に心を痛めているのは明らかでした。息子を変えて責任ある人生を歩ませようとあらゆる努力をしてきたものの、何もかもうまくいかなかったのです。ビルは今でも薬物を使い、やるべきこともせず、いかがわしい仲間たちと付き合っていました。
彼らは、息子には必要なものをいつも全て与えて来たと言いました。ビルがまだ学校に行っていたときは、「アルバイトをすることで勉強したり遊んだりする時間を削らなくてすむように」と多額のお金を持たせていました。授業に出なくなったり学校を退学になると、「彼にとってもっと良いかもしれない」別の学校に転入させるため、二人は喜んで八方手を尽くしました。
話をしばらく聞いて、私はこう言いました。「息子さんの言う通りだと思いますよ。彼には問題ありませんね」
彼らは信じられないという表情でたっぷり一分間は私のことを見つめました。まるでストップモーションがかかったかのようでした。ついに父親が口を開きました。「私の聞き間違いでしょうか。先生は、息子には問題がないとおっしゃるのですか」
「その通りです」私は言いました。「息子さんには問題ありません。問題があるのはあなたがたです。ビルは自分がやりたいことはほとんど何でもできるじゃないですか。簡単ですよ。彼の好き勝手な暮らしのために、あなたがたが支払い、あなたがたが苦労し、あなたがたが心配し、あなたがたが計画し、あなたがたがエネルギーを費やしているのですから。ビルには問題ありません。あなたがたが彼の肩代わりをしてしまったからです。これらのことはビルの問題である“べき”なのです。ところが、現状ではどれもお二人のものになっています。ビルに問題のいくらかでも自分で背負わせるよう、お手伝いいたしましょうか。
彼らは、どこかおかしいのではないかと言わんばかりの目で私を見ました。しかし、事態が分かりかけてきたようでした。「『問題のいくらかでも自分で背負わせる』とはどういう意味ですか」母親が尋ねました。
「それはですね」私は説明しました。「この問題の解決法は、ビルの行動の『つけ』があなたがたにではなく、“ビル自身に”まわるように、いくつかの境界線を明確にすることだと思うのですよ」
「『境界線』とは何ですか」父親が尋ねました。
「このように考えてみましょう。ビルはあなたにとって、庭の芝に水を撒かない隣人のようなものです。ところが、お宅の庭のスプリンクラーをつけると、水はいつでも柵を越えて隣の彼の芝に降り注ぎます。お宅の芝は徐々に茶色くなり枯れていきますが、ビルは自分の青々とした芝を見て『僕の庭は調子がいい』と思うのです。息子さんの人生は、ちょうどそんな感じなのですよ。彼は勉強もせず、計画も立てず、仕事もしません。にもかかわらず、快適な住まいを持ち、懐も温かく、家庭で責任を果たしている人に与えられるべき全ての権利を欲しいままにしています。
もしあなたが自分の地所の境界線をもう少し明確に引き、スプリンクラーの水があなたの芝の上に落ちるように調整すれば、ビルは自分で水を撒かない限り、埃まみれの暮らしをすることになります。しばらくは気に入らないでしょうがね。
現状では、彼は“無責任で幸せ”です。そしてあなたがたは、“責任を果たしているけれどみじめ”です。ほんのわずか境界線を明確にしさえすれば、この状況は大きく変わります。彼の問題をあなたの庭に侵入させず、本来あるべき場所である彼の庭にとどめておくように、柵を立てればいいのです」
「それは少し酷ではありませんか。そんなふうにただ助けるのをやめてしまうなんて」父親が尋ねました。
「助けてあげることが今まで彼の役に立ってきましたか」私は聞き返しました。
その表情から、彼が理解し始めているのが分かりました。
著者について
登録情報
- 出版社 : 地引網出版 (2004/10/1)
- 発売日 : 2004/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 508ページ
- ISBN-10 : 4901634089
- ISBN-13 : 978-4901634083
- Amazon 売れ筋ランキング: - 143,035位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 736位臨床心理学・精神分析
- - 23,011位暮らし・健康・子育て (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ただ、内容的には、深く読み込めば生き方が大きく変わる可能性を込めた本だと思います。
詳しく書いてあり、とても具体的である。
「人に迷惑をかけてはいけない」
「察する文化」
で生きてきている多くの日本人は知らないうちに周りの目を気にしすぎ、両親の会話を意識していると友人や知人、親戚がどうしたこうしたと直接私たちの人生や生活に関わらないことばかりが話題になっていることに気付きました。
どこからどこまでが自分がどうかできて責任が持てる範囲なのか、「ここまでは自分の領域、それ以上は相手の問題で自分には関係ない」という概念をしっかり私に教えてくれた初めての本です。
特に思春期の女の子は色んなグループがあってとても周りの目を気にして日々過ごしています。昔で言う道徳や倫理の授業でこの概念を教えてくれていたらと心から思います。
多くの大人がこの考えを知らずに教わっていないから、今でも地方などでは「あそこのお嫁さんは親の面倒見ずによく週末に都心に外出している」などと噂されて白い目で見られることが起こっているのです。
他人には関係ないし、その家にはその家の人間関係、事情があります。
私たちの多くは他人の生活に口を出しすぎ、そのうえ周りとのことを気にしすぎて色々とはっきり断れずに明確に発言する人が実は羨ましいのに、その嫉妬心に気付かず腹が立つことだけに意識して文句を言っている人も多いと思っています。
ここまでは私の問題、こちらからは先方の問題、とまずは考えられるように小さい頃から教わりたかったです。
家族固有の生育環境から地域特有もあり上京して
本当に多様で距離感が違くて戸惑う人も出てくるかもしれない。
支配/従順関係しか知らない人もいるし千差万別です。
蜜月な共依存を逆に売っている子も存在して怖いです。
ハックして意志が弱そうな人の境界を侵食する輩も存在しますし…。
人との境界一つでもとても奥深い世界を経験することが出来ます。
最近では人間関係リセット症候群なるものもありますし距離感の重要性
を再認識した次第であります。
読んでいくとそれが杞憂であることが分かった。
勿論、例示や登場人物はキリスト教絡みではあるが
それを抜きにしても非常に良い書である。
境界線を引くことは良いことだと知っていても
本当にそれをして良いのか悩む人、
恋人や友人にNOを言えず、自分をいつも殺してしまう人、
宗教色のある文章に嫌悪感を抱かぬ人については
非常に良い書となると思う。
この本を読んで、相手にNOを言うことは、
相手のNOも認めること、ということに気づき
大いに参考になった。
タイトルの通り、恋人や友人に合わせすぎてしまう人
大事にしているつもりなのに、何故か捨てられてしまう人
そういった方にお勧めする。
良い本だとは思うが、クリスチャンには読むことを薦めない。神の知恵ではなく人の知恵に頼ってしまう。